仕事に行きたくないのか、会社に行きたくないのか~リモートワークをVR的にとらえたときに~

今年のお盆はダラダラと仕事をしてしまい、非常に効率が悪かったと反省しています。
はじめまして、VR仮想研の女・Gです。
チームの広報と企画を担当しています。
フリーランスになって5年が経ち、世のフリーランスの中では珍しくない、

「自宅で仕事」が好きな部族です。

もはやノマドですらありません。
しかし、最近よく聞くんです。
「やっぱり誰かと一緒にいるほうが捗る」
「一人だと、ついサボってしまう」

わたくしはこの呪いにだけはかかることがなく、
毎日自宅で仕事と対峙することに何の苦痛も感じないタイプなのでして、
実はサラリーマン時代もすっごく出社が嫌いでした。

メディアの営業と企画をやっていたので、朝から夕方までひたすらアポイント。
見積もりや企画書作成は帰社後、エンドレス。
中堅ともなると、後輩からの相談などで21時くらいまでは自分の仕事ができません。
既存の企画書や見積もりのリライトであればその後終電まででなんとか終わるのですが、
コンペの企画書や、大型案件のために「考える」「調べる」といった作業が必要な場合、
もう、それは目に見えるような午前様です。むしろおはようレベルです。

酷い時は、朝4時くらいに会社を閉めていったん帰宅してシャワーを浴び、
コロンはたたかずに仮眠してまたタクシー。一番営業数字を求められる部署だったので、
朝9時からの会議にいないと「人間として扱われない」始末でした。

『うん、朝4時までかかって仕事してたんだけどね…
朝9時に出社してる人間じゃないと認められないこの風潮、おかしくないか?』
『遠方のアポだから朝直行させてくれって言ってるのに、“午前中サボってるんじゃないのか”
とか疑われるってほんと心外。だったらあんたが行けよ』
といった毒を心の中で吐き続け、最終的には「もう会社員嫌だ」と飛び出しました。

最近よく思うんです。
たぶん今、私は上記最悪だった時期以上に仕事に時間を費やしているけど、まったくストレスがない。
それはなぜなのか、先日Twitterに何かつぶやこうと思ってちょっぴり考えました。

そして、出た結論。あくまで暫定ですが。
「私は仕事に行きたくなかったのではなく、会社に行きたくなかったのだ」
と。

ここまで読んで頂いて、首がもげそうなほどに上下運動を繰り返されている方。ぜひお友達になってください。
そして一緒に、「リモートワーク」の本質について考えましょう(急にきたよ本題

VR仮想研は、ただ単に開発されたVRの技術を既存のオペレーションにはめこむだけでは、
本来のVRの威力を発揮できないと考える集団です。
クライアント様とVR開発者の間に立ち、VRを導入する意味のある部分はVRに、
紙のままがよいところは紙のままに、動画でいいなら動画で、といった(ちょっと古いですが)
“メディアミックス”の武器のひとつとしてVRを導入し、全体をコーディネートさせて頂くことをモットーとしています。
そしてこれはフルメディアに精通しているプランナーにしか構築できない世界だとも自負しています。
この1年、VR仮想研を立ち上げて、様々な企業様の「VR的お悩み」を伺ってきました。

日本の悪いところだなと感じるのが、課題をすべてVR化しようとしてしまった結果、
①巨額の投資をしてしまい、
②機能せずに焦げ付いている、という案件が転がっているということ。

これは、クライアントサイドが「とにかく新しいVRというものをうちで最初に導入しようじゃないか!」と、
よくわからないままにGOサインを出してしまい、
開発サイドが「VRの没入感ですべてを再現するためにはこのくらいの規模でこのくらいかかります!」
と鼻息を荒くしてしまった結果、VR的諫早湾を全国に乱立させてしまっているという事態だと見ています。

この現象を「VR的リモートワーク」になぞらえると、
「みんながゴーグルをつけて会議すればリモートワーク!」と誤解し、
高いゴーグルやら機材やらをしこたま買い込んで、いまは埃をかぶっている、という…社長さん、
トータルでいくらコストをかけ、1回の会議に分散するとその会議代はおいくら万円の支出となり、
結果産んだのは埃と産業廃棄物、ではないですか?

「VR的リモートワーク」は、VRで会議をすることではないんです。
リモートでワークすることなんです。そしてそこに必要なのは、機材ではなく、
「リモート」で「ワーク」することを本質的に理解して「容認する」
ことからなのです。

VR仮想研は、「VR的リモートワーク」という課題に対し、ゴーグルを売るチームではありません。
御社がリモートワークの導入を検討されるに至ったバックグラウンドや社員構成、事業の内容によって、
「リモート」と「ワーク」の中身から一緒に考えます。
出社しなくてもいい仕事。出社時間が評価軸にならない会社内の価値観のコンセンサス。
やるべきことは常にそういった地道で本質的なマネジメントや工程の検証からはじめるべきなのです。

さらに付け加えると、VRそのものについての解釈にも仮想研的セオリーがあるのですが、それはまた別の時間に。
またのご来店を、心よりお待ちしております。

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ただね。VR的リモートワークがどんなに快活に機能しても、私のお盆が能率が悪かったように、
「お盆営業中」と「お盆休み」の間でやりとりが発生する場合は、もうこれはどうしようもない。
こういうときは、諦めてVRでショッピングでもしたらいいんです。
時間と空間を超えた楽しいVRライフに向けて、これからも皆さんとともに考える場にしていきたいと思います。