【VR業界の先輩企業に聞く!①】
VR仮想研では、福岡を中心に活動するにあたり、先進的にVR事業に取り組まれている先輩企業への取材をさせて頂いています。
今回は、株式会社シェルパの山崎社長に、どんなVR事業をされているのかや、会社としてどんな想いでここまでこられたのかをお聞きしてみました。
建築CGパース制作、3DCG制作全般、映像制作、VR・AR・MRコンテンツ・アプリ制作、WEBデザイン・アプリケーション・システム開発、建築・インテリア設計施工管理業務などを手掛けられている株式会社シェルパさん。代表取締役の山崎文章社長にお話を伺いました。
デザイン志向からVRへ。山崎社長が株式会社シェルパを創業するまで。
─学生時代の夢は何でしたか?
専門学校です。目指していたのは建築・設計・デザインの方ですね。
─高校時代はどんな学生でしたか?
高校は普通校だったので、特に技術的なのは学んでないですね。もともと絵が好きだったんで、画家にもなりたいなと思ったんですけど食っていけないなと。専門学校はもう自然に設計ができる会社であればどこでもいいかなと言うところで店舗設計施工をしている会社に入って、そこで自分で設計しながらその現場に行ったりとかしていたんですけど、そのうちその3Dキャドとかが出だして、自分で3D、CGを覚えて自分で設計したものを3D、CGでプレゼンテーションをするようになって徐々にそういう系の仕事にのめり込んで行った、という感じですね。
─もともとクリエイター志向が強かったのですね。そこからシェルパ独立までの経緯はどんな感じだったのでしょうか?
もともと独立の願望はあったんですけど、それは考えずにいました。設計も楽しかったしデザインも、あと現場に行くのも楽しかったんですけどその中でCGパースって言うのをどんどんやっていくうちに自然にその仕事が増えてきました。
それで、前にいた会社が危なくなったので、外部プレインとして使っていただくっていう形から独立って流れになりました。
─なるほど、先見の明でしょうか。ちなみに会社設立はいつですか?
設立は1999年ですね。20周年を迎えます。その頃は設計もやっていたんですけど、CGパースの仕事の方がやはり増えてきたので徐々に設計をやらなくなりました。こちら(CG)が儲かる、みたいな。
─CGパースで独立起業してから現在ではVRにまで着手されていますが、そもそもVRとの出会いはどのようなものだったのでしょうか?
VRとの出会いは、もともとゲーム開発エンジンに興味があったんです。今やっている静止画のCGをリアルタイムで3Dで表現できたらいいなというところでゲーム開発エンジンのアンリアルエンジンっていうのがあるんですけど、それが一般で使えるようになったっていうのが初めてで、3D、CGをリアルタイムで動かす、と。
そしてそのタイミングでVRが盛り上がって来たんです。
アンリアルエンジンがVRに改良できるということで、これは乗っかるしかないよねというところがスタートですね。もともとVRだけに興味があったっていうのはなかったんです。
─それが今から何年ぐらい前ですか?
3年前です。
─今の事業ではどういった活動をされていますか?
今は主に建築のVRを手掛けています。部屋の中をリアルタイムで動いてとか、大手の機械メーカーの商品のVRや、展示会などで活用するようなVRとかですね。あとは土木関係のダムのシミュレーションでVRを活用する、などです。
─クライアント層はどんな業種が多いですか?
そうですね。基本的には建築系が多いですね。『何かVRをやらないといけない』と思われている企業様が多いです。漠然としたご依頼からスタートする場合もありますし、『御社(株式会社シェルパ)の技術とうちの技術を繋いでこういうことをやりたいんだけど』とか、そういったご相談も色々受けます。
─シェルパさんの強みとはそんなところでしょうか?
弊社の強みというのは、“幅広く開発ができる”というところと、“新しいデバイスなどが出たらとにかく試してみる”ところですね。常に新しいところを活用して新しいサービスに繋げていくというスピード感が強みでもありますし、自社で開発できるということはコストも圧縮できるので低価格に対応できます。プラス、リアルなCGを今まで作ってきたのでリアルなコンテンツを3Dで作成するっていうところはもしかしたら最大の強みかもしれません。
─ちなみに現在社員数は何名ですか?
今12名ですかね。今後10月から東京支社の設立と今後は海外展開を考えています。
─素晴らしい!事業拡大ですね!そんなVRの一番の魅力ってどういうところですか?
一番の魅力は可能性ですね。まだまだこれからの分野だと思いますし、これからもっとリアルなものだったりハイレベルな機器が出来てくれば常識が変わります。会社に行かなくてよかったりとか、家で仕事できたり、会わずにコミュニケーションがとれたりだとか。
そういう物理的な壁だったり時間の壁っていうものを壊していけるものだと思うので、そこの可能性が一番でしょうかね。
─シェルパさんとしての今後の展望を教えてください。
すでにサービスをちょっとだけ開始しているんですけど、IOTセンサーとその情報をVRで可視化するっていうところを『見える5D』っていうサービスでやっています。
それをもっと進化させてあらゆる物と人が繋がる+人同士も繋がっていくような今までにないようなサービスにしたいです。とにかく他にないものをやっていきたいと思っています。
シェルパさんの成り立ちから現在までを伺ってきた前編。この続きは1年後の展望は予測不可能?日進月歩のVR業界/株式会社シェルパ様・ビジネスレポート~後編~にて、VR事業のさらなる展開についてお伺いしています。